お問い合わせフォームは、Webサイトの中でも重要な“入り口”です。
ところがこのフォーム、気づかないうちに大きな機会損失を招いているケースが少なくありません。
今回は、実際によくあるトラブルを3つ取り上げながら、原因と改善ポイントを紹介していきます。
① メールが届いていない
「フォームから送ったはずのメールが届かない」
そんな問題は意外と頻繁に起きていますが、ユーザーからの指摘がなければ気づきにくいのが厄介です。
この問題の一因として、PHPのmail関数を使った送信方式があります。これはサーバーやメール設定の影響を受けやすく、正しく届かないリスクがあるため、SMTP方式への切り替えが推奨されます。SMTPを使えば、メール送信の信頼性が大きく向上します。
また、メール送信には「メール送信者のガイドライン」が存在しており、これを守らないと、受信側でスパム判定される恐れもあります。このガイドラインに沿った設定方法については、以下の記事で詳しく紹介しています。
ベトナムで、ドメイン管理はしっかりできていますか?
さらに見落としがちなのが、メールアドレスのパスワード変更などに伴うフォーム設定の更新忘れです。弊社クライアントの中でも、こうした単純な原因でメールエラーが発生した事例が複数あります。
「問い合わせが来ないな」と思ったら、一度テスト送信してみることをおすすめします。問い合わせが“来ていない”のではなく、“届いていない”だけかもしれません。
② スパムが大量に届く
ある日突然、意味不明な英語のメッセージやリンクが大量にフォームから送られてくる…。
そんなスパム被害、実は誰にでも起こり得る問題です。
これはbot(自動投稿プログラム)による投稿で、フォーム側のセキュリティ対策が不十分だと、容易に狙われてしまいます。
スパムが多発すると、ドメインやメールアドレスが迷惑メール扱いになるリスクがあり、送受信そのものに支障をきたす場合も。さらに、本物の問い合わせが埋もれたり、確認作業の負荷が増えたりと、業務への影響も小さくありません。
そこで有効なのが、Google reCAPTCHA v3の導入です。これはユーザーの操作を妨げずにbotを判定・排除してくれる優れた仕組みで、弊社のWebサイトでも実際に導入しています。
もし最近スパムが増えてきたと感じたら、今が対策のタイミングかもしれません。
③ UXや入力項目設計が原因で、離脱されている
「送信ボタンを押しても何も起きない」「これでちゃんと送れたの?」
こうした不安を感じさせるフォームは、ユーザーが途中で離脱してしまう大きな原因になります。
たとえば、送信完了後に何も表示されなかったり、自動返信メールが届かないと、「本当に届いたのか?」という不信感につながります。理想は、送信後に専用のサンクスページへ遷移し、明確に完了を伝えること。そして、ユーザーへも自動返信メールで「○○日以内にご返信します」など、安心感を持たせる一言を添えると効果的です。
また、もう一つ見落とされがちなのがフォームの入力項目数や必須・任意の設計です。フォームが長すぎたり、入力が面倒だと、それだけで離脱される可能性が高まります。
ただし、項目を少なくすればいいというわけでもありません。
項目をシンプルにすれば、気軽な問い合わせが増えます。一方で、ある程度入力を求めることで、「本気度の高い」問い合わせを絞り込むこともできます。
すでに十分な件数がある場合や、精度の低い問い合わせに悩まされている場合には、あえて入力項目を増やすのも戦略の一つです。
ユーザー体験とビジネス効率を両立させるためにも、お問い合わせフォームを見直してみるとよいでしょう。
まとめ
お問い合わせフォームは、企業にとって大切な「入り口」です。
でも一方で、つい後回しになったり、作ったまま放置されがちな部分でもあります。
トラブルを防ぐために、次のような簡単な定期チェックをおすすめします:
- フォームから月1回テスト送信をしてみる
- 届いたメールの件名・内容をチェックする
- 迷惑メールやスパムの報告がないか確認する
「最近、問い合わせが少ないな…」と思ったときは、まずフォームまわりを疑ってみることが大切です。
知らないうちに、お客さんを逃しているかもしれません。
【執筆者】VIETRY_ベトナム国内事業部
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