2025年10月頃、Googleが以下のリリースを発表しました。
Gmail の Gmailify と POP の今後の変更について|Gmail ヘルプ
https://support.google.com/mail/answer/16604719
こちらのリリース内容については内容が大変分かりにくいと思います。
今回のコラムでは、弊社の主な顧客層である在ベトナム中小企業様で、かつ社内にネットワーク管理の専任スタッフがいらっしゃらない組織をイメージして、なるべく省略・簡素化して書きたいと思います。
ベトナム進出後、ご自身が主導してメール環境を構築した方であればまだしも、前任の方、もしくは少し詳しいベトナム人スタッフに任せっぱなしにされていた場合などは事業に影響が出る可能性もあるため、以下に該当される方はチェックしてみてください。
影響を受ける利用者はどんな人?
以下の条件に全て合致した企業様やスタッフ様は要注意です。
前提:メール送受信時に無料版のGmailを利用している(有償版のGoogle Workspaceを利用していない=POP受信している)
☑ PCブラウザ版Gmailを使っている(スマホアプリ版Gmailを使用していない)
☑ その上で「@gmail.com」以外のメールアドレス(@yahoo.co.jp, @hotmail.com、または、「@vietry.com.vn」のような独自ドメインメールアドレス等)を設定し受信している
※Gmail設定画面>「アカウントとインポート」>「他のアカウントのメールを確認:メール アカウントを追加する」)という設定をしていた場合
もし上記全てに該当している場合は、2026年1月以降、メールが受信できなくなる恐れがあります。

※(上図)PCブラウザ版Gmailの「設定」アイコンから「すべての設定を表示」>「アカウントとインポート」タブをクリックした画面
なぜ、このような話になっているのか?
まず、メール受信の仕組みについてですが、以下の2種に大別できます。
①POP(Post Office Protocol)
②IMAP(Internet Message Access Protocol)
メールは私たちが利用するPCやスマホに届く前にまずメールサーバーに届きます。
リアルな郵便物が自宅に届く前に郵便局に届くようなものだとお考えください。
上記①は郵便局まで郵便物またはそのコピーを取りに行く方法で、上記②はオンラインで内容を確認できる方法です。
一言で言えば、POPという受信方法は大変古い規格であり、セキュリティ上も好ましくない手段であったということです。
今回のGmail(Google)のリリースでは、この①を廃止するということが発表されました。
先述した条件に合致している場合は①の受信方法を必然的に選択しているため受信できなくなるというわけです。
受信するためにはどうすれば良いのか?
(1)Google Workspace(Gmail有償版)を契約する
独自ドメインをGmailに統合できるため問題を回避できます。
ただし、月額費用がかかります。
※プランは以下です。
https://workspace.google.com/pricing
(2)スマホアプリ版で受信する
スマホアプリはIMAPに対応しているため受信できます。
ただし、仕事で使う時、長文やコピペを多く使うようなメッセージのやり取りが多い場合は不便になるかもしれません。
(3)Webメールを利用する
他社メールサービス(Yahoo!、Hotmail、GMOインターネット、さくらインターネット、エックスサーバー、Matbao、PA Vietnam等)では、会員専用の管理画面が用意されていることが一般的です。また、その中に「Webメール」という機能があるケースがほとんどです。メールアカウントを作成した時のパスワードを使ってログインすることで、PCブラウザ上でもメール閲覧や送受信ができる機能です。
ただし、Gmailで使えていた独自の仕様(ラベル)等は使えず、各サービス会社の仕様の範囲で利用することになります。
(4)転送設定を利用する
上記(3)の他社メールサービスにおいて「メール転送」機能があるケースがほとんどです。この機能を使って、Gmailに設定済みのGmailアドレス(〇〇〇@gmail.com)に転送設定をかけることで受信できるようになる可能性があります。
ただし、転送メールは迷惑メール判定されやすく受信メールを見落とすリスクが増える可能性があります。また、発信元アドレスの設定をしたい方もいらっしゃると思いますが設定に手間がかかります。
(5)Gmail以外のメールクライアント(ソフト、ツール)で受信する
例えば、「Outlook」(Microsoft社)や「Thunderbird」(Mozilla社)などです。
ただし、Gmailが先行しているだけで後に他社も仕様を追随させてくる可能性もある内容のため、暫定対策となる可能性もあり得ます。それらにも制限が出始めた時に再度設定を見直さなければならなくなるリスクがあります。
現時点で弊社がご提案可能な回避策は上記のみとなっております。
また、この件について各社様が同様のことを書かれていますが、Gmail(Google)側の仕様変更のため弊社やお客様側はもちろんのことご利用中のサーバー会社側でも技術的解決はできません。
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【執筆者】VIETRY_ベトナム国内事業部
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